互換性ガイド
Manifest V2 と Manifest V3:各 Chrome バージョンで何がインストールできるか
Chrome 87 から 156 まで、バージョン順に 2 つの拡張機能形式がいつ使え、いつ使えなくなるのか、古いバージョンをダウンロードする前に何を確認すべきかを見ていきます。
Manifest V2 と Manifest V3 とは
- Manifest V2
- Chrome 拡張機能の旧形式。拡張機能は常駐するバックグラウンドページで動き、ネットワークリクエストを直接傍受・変更できます。Chrome は段階的に廃止しています。
- Manifest V3
- 現在の形式で、Chrome 88 から対応。バックグラウンドは必要なときだけ起動する service worker になり、ネットワークのフィルタリングは宣言型ルール(declarativeNetRequest)を使い、権限もより厳しくなりました。
各拡張機能の manifest.json にどちらの形式かが書かれています。以下では MV2・MV3 と略します。
Manifest V2 の完全終了
ブラウザに MV2 のスイッチやポリシーはもう含まれておらず、どの方法も拒否されます。MV3 に上限はなく、88 からテストした最新の 156 まで正常に動きました。残るリスクはブラウザが古すぎることだけです。
156テストした最新版:MV2 はすべて拒否、MV3 は動作。実測151コマンドラインスイッチがすべて使えなくなる。実測
MV2 は拒否される
一般ユーザーは MV2 を使えなくなりました。インストールは拒否され、再有効化もできず、デベロッパーモードや「パッケージ化されていない拡張機能を読み込む」でも回避できません。企業ポリシー(138 まで)とコマンドラインスイッチ(150 まで)だけが一時的に延命できます。
150コマンドラインスイッチが使える最後のバージョン(追加の再有効化が必要)。実測139企業ポリシー ExtensionManifestV2Availability が削除される。実測137MV2 は既定で拒否され、再有効化もできない。実測
MV2 が既定で無効に
MV2 拡張機能はインストールできますが、無効の状態で入ります(unsupportedManifestVersion)。chrome://extensions で再度有効にすれば通常どおり動きます。Google は 2024 年 10 月から段階的に展開したため、遅れて影響を受けたユーザーもいます。
2024年10月Google がユーザーへの段階的な展開を開始。公式ドキュメント129コードの既定値で MV2 の無効化が始まる。実測
2 つの形式が共存し、MV3 の機能がそろう
MV2 も MV3 も問題なく動く、最も互換性の高い期間です。MV3 の新しい API は 1 つずつ追加されます。それを使いながら最低バージョンを宣言していない拡張機能は、古いブラウザでもインストールできますが、その機能は動きません。
127–128MV2 はまだ動く。Chrome は拡張機能ページで MV2 の廃止予告を表示し始める。実測120userScripts 権限が使えるようになる(ユーザーによる有効化も必要)。公式ドキュメント114sidePanel が使えるようになる。実測109offscreen API が使えるようになる。以前のバージョンではインストールも実行もできるが、呼び出しは失敗する。実測2022年1月Chrome ウェブストアが新しい MV2 拡張機能の受け付けを停止(ストアの方針で、ブラウザの変更ではありません)。ストアの方針96declarativeNetRequestWithHostAccess 権限が使えるようになる。公式ドキュメント92ES モジュールのバックグラウンドが動き始める。実測
MV3 が安定版に
Chrome 88 から MV3 拡張機能をインストールして動かせます。ただし ES モジュール("type": "module")で書かれたバックグラウンドは、92 まではインストールできても動きません。
88–91モジュールのバックグラウンドは一覧に service worker が表示されるものの、実際には起動しません。実測88MV3 の基本対応:インストール、有効化、バックグラウンドの実行がすべて成功。実測
MV2 だけの時代
正式な形式は Manifest V2 だけです。MV3 拡張機能は安定版でもインストールでき有効に見えますが、バックグラウンドスクリプトは一度も動きません。最も気づきにくい失敗です。
87安定版 87 が受け付けるのは manifest_version 2 まで。service_worker のバックグラウンドは Dev チャネルのみです。ソース確認
Chrome 137 以降、MV2 はインストールを拒否され、一般ユーザーに回避方法はありません。
Chrome 129–136 は MV2 拡張機能を自動的に無効にしますが、ユーザーは再度有効にできます。
MV3 には Chrome 88 以降が必要です。それより古いブラウザでは、入っても動きません。
ブラウザがマニフェストの minimum_chrome_version より古い場合、拡張機能ページへのドラッグ、パッケージ化されていない拡張機能の読み込み、ポリシーによるインストールはすべて拒否されます。
古いバージョンをダウンロードする前に
- マニフェストのバージョンを確認:Chrome 137 以降なら MV3 のみを選ぶ。
- 最低バージョンを確認:それより古いとインストールは拒否される。
- ブラウザが古い場合は、互換性のある最新バージョンを選ぶか、先にブラウザを更新する。
テスト方法と制限
2026 年 10 月 18 日に Linux 上で Chrome for Testing 113–156 と Chromium 87–112 のスナップショットを使い、テスト用の拡張機能と実際の Google Translate 2.0.13 / 2.0.18、AdBlock で「インストール」「有効化」「バックグラウンドが実際に動くか」を区別してテストしました。CRX のインストール経路は企業ポリシーの強制インストールで確認しています。Chrome for Testing には Google の段階的な展開がないため、上記はコードが有効になるバージョンで、実際のユーザーが変化に気づくのはもう少し後の場合があります。Windows、Mac、Edge およびその他の Chromium ブラウザは対象外です。150 以降の日付は Chrome の 4 週間のリリース周期から推定しています。
Edge などその他の Chromium ブラウザには独自のスケジュールがあり、ここではテストしていません。